チベットの映画 上映会

今日の上野公園

ボランテア団体のメーリングリストで、上野の東京都美術館チベットドキュメンタリー映画の上映会の知らせがあったので行ってきた。

「ヒマラヤを越える子供たち」「Jigdrel-Leaving Fear Behind 恐怖を乗り越えて」「ジグテル製作者の妻」の3本の短い映画が上映された。

一つ目は、チベットの貧しい親たちは自分のこどもたちをダライラマの居るインドに危険を冒しながら山を越えて連れて行ってもらい教育を受けさせてもらうというドキュメンタリーだった。
2番めの映画は、35歳のチベット人男性ドンドゥプ.ワンチェンさんの話。彼は映画制作の技術ももたないのに、中国に弾圧されたなかで暮らしているチベット人たちの思いを全世界の人々に伝えようとチベット全土を旅しながらいろいろな人にインタビューし映画制作していったのでした。映画完成まもなくの2008年3月、彼は中国当局に拘束されてしまって今に至るのです。彼がインタビューした農民は、「私たち遊牧民にたいして中国が柵をつくって移動を制限させています。私たちには自由も平和もありません。北京オリンピックのために物価はどんどん上がっていくので何も買えなくなりました。北京オリンピックは私たちにとってはなにも嬉しくないです」13歳位の少年は「中国に怒りを感じますが、同じ人間だということを考えると同情を感じるのです」70歳位のおばあさんは「ダライラマ法王がチベットに帰還してくれたら私は嬉しくて川に飛び込んで死んでもいい」とインタビューに答えていました。

最後の映画は、拘束されているドンドゥプさんの妻と家族を取材したものでした。
ドンドゥプさんの妻は夫のいない家を守り、家族8人を一人で養うために毎日深夜1時からパンを焼いて売りにいってるのでした。
10歳の長女はとてもしっかりしていて「お父さんは自分のためよりもチベットの人々のためを思ってやっていたら逮捕されたのだから誇りに思ってる。病気になってるのに治療も受けられないお父さんのことをとても心配してるけど、たくさんの人たちがお父さんのために救援活動してるからがんばってね」と獄中の父に思いを届けたいという切実な家族の映像だった。