「上を向いて歩こう」

永六輔さんがラジオで「上を向いて歩こう」の誕生秘話を語っていました。
当時、作曲家の中村八大さんから「歩きながら歌える歌を作りたいんだけど」って相談されたそうです。
「どれぐらいの速さの歩きか?」とか「悲しいときにも歌えるように」とかいろいろなことを相談しながら作った歌が「上を向いて歩こう」だと話していました。
お遍路さん、「遊行」「同行」もみな歩きます。
「歩く」ことは信仰なんです。僕は親しい人が亡くなったときは、亡くなった人を想いながら一晩中歩くんですよ。
だから、この震災では(亡くなった人を想いながら)いくら歌ってもいいんですよというようなことを話されていました。
実際、震災に遭われた現場ではこの「上を向いて歩こう」は結構歌われているのではないでしょうか。

永さんは最近病気のために病院でリハビリを受けていて、看護師さんか療法師さんが
さぁーいっしょに『上を向いて歩こう』を歌いながら歩きましょう」と声かけするのだそうですが、自分の作った歌が気恥ずかしくて歌えないでいると、この歌知らないんですか(笑)?と言われるんだそうです!
若い看護師さんたちはこの曲が目の前の患者さんが作詞したとは露知らず!一生懸命歌ってリハビリの特訓をしてれてるのだそうです。
外国に行ったときは、タクシーの運転手さんが日本人だとわかると、「日本の歌でスキヤキソング知ってるよ」と得意になって歌ってくれたというエピソードを永さんの著書で読んだことがあります。
世界中で歌われ、そしていまだに歌い継がれてるこの歌は後世まで残っていくのかもしれませんね。