「いいお坊さん ひどいお坊さん」

今月のお寺の講演会は、行政書士の勝桂子さんのお話でした。
仕事で遺産問題などについて相談されているうちに、葬儀社や僧侶に対する不満をたくさん聞いたことで、葬儀や僧侶について勉強していき、いまは、僧侶と一般人の仲介役のような活動しておられるのだそうです。
また専門学校でも教えてるのですが、生徒さんは葬儀会社に就職希望してる方もいるそうです。
なぜ葬儀会社で働きたいのかと聞いたら、若くして友人が亡くなりショックを受けて苦しんでるところへ葬儀会社の方の言葉に救われたという体験をしたことがあるのでそういう仕事に関心をもったのだそうです。

お坊さんに対しての不満は、お布施や戒名料が高い、傷つくような言葉を言われた等々。
葬儀屋さんにたいしての不満は葬儀代が高額等。

著書の「いいお坊さん ひどいお坊さん」

勝さんは、僧侶や葬儀屋さんの方たちと勉強会をやりこれらの不満を伝えていって改善してきたようです。
勉強会に参加していってるうちに勝さんの考え方もだんだん変わっていき柔軟な考えになっていったそうです。
ひどいお坊さんだと陰で批判し仏教から離れていくのでなく普段からお坊さんと腹を割って話し合ったり、人生相談にのってもらったりしてカウンセラーになってもらう。

だめな坊さんだと思ったら、檀家さんたちが育てていく気持ちで接する。
もし全然だめだったらそういうお寺はあきらめて、他のいい坊さんや寺に変えることもいい。

最近は葬儀も簡素に行う人々も増えてきて墓ももたないということもでてきました。

勝さんが勉強会をはじめてまもなく実母が余命わずかという状態になっていたそうで、いろいろ話し合いを重ねていったそうです。
お母様は簡素を希望されたそうですが、勝さんは、子どもたちが人生の岐路に立たされたときに、仏壇やお墓に手を合わせて祈るという場所をつくっておいてあげる必要があるんじゃないかと思いきちんと葬儀を執り行ったそうです。

葬儀費用もいくらでも安くすることができるそうです。

留学生たちと日本の僧侶たちとの交流会を開いたときに、イスラム教の学生たちは、どうして日本人は、自分が信仰してない神や仏に手を合わせられるのかが理解できないと聞いたそうです。

韓国からの留学生は、日本の葬儀がたった2日間で済ますのが信じられない。韓国では1週間もかかって執り行われるのですよと語ったそうです。

日本の学生さんたちでも、親たちは子どもに迷惑かけたくないから葬儀はいらないというが、自分たちはやはり伝統を守っていきたいと答える学生もいるそうです。

著書から
「昔は親の葬儀を出して一人前と言われたでしょう。いまは、子ども世代の結婚式や新居の準備さえ親が段取りしてしまって、大人になるための儀式を一つも経験しないまま、歳だけ取っていく人が増えた。子どもたちに迷惑かけたくないから、葬式から墓のことまで生前に準備しておきたい、と生前相談に来る親たちに私は言いたい。親の葬儀くらい立派に出せる子どもに育てましたと胸を張って言えるようになりなさい!って」

お客さんたちの座談会は、葬儀の話から終末期医療の問題にまで発展していき、人生どう生きるかといういい勉強会になりました。


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