「親切」

先日Dくんは仕事で遅くなり深夜になって帰ってきたのですが、帰宅途中に遭遇した事件を話してくれました。

東京駅の高速バス乗り場近くで、大きなスーツケースを抱えた米国人女性が血相変えてパニックになっていたのだそうです。
誰も対応していないようなので、Dくんと日本人同僚がそばに行って話を聞いてあげたそうです。
彼女はアメリカ人で、成田空港から東京駅に到着したばかりで、高速バスで金沢に行くところだったのですが、財布をすられたか落としたかして大混乱してるところだったのです。

彼女は金沢で英語教師をしている米国人の夫を訪ねてきたばかりで、日本語はもちろん日本のことはなに一つわからなかったのだそうです。
予約してあるバスチのケットはその財布のなかに入っていたので、どこのバス会社なのかもわからなくなってしまったのです。

それでDくんはパスポートやら調べて、悪い人ではないことがわかり、急を要しててとてもかわいそうだと思ってDくんは金沢までの高速バスのチケットを買ってあげることにしたそうです。

実はDくんは金沢がどこにあるかもなにも知らなかったのでした。
金沢まで遠い距離とは全然知らなかったので、たいした金額ではないと思ったのです。
安請け合いして払ってあげると言ったまではよかったけど、切符売り場で料金を払うときになってびっくりしたのです(>O<)!!
8000円位だったそうです。

時間もないのでその女性の住所も聞かなかったそうですが、Dくんは名刺だけ渡したそうです。
私が驚いて、「見ず知らずの人によくそんな高額出してあげたわねー!」と言ったら「困ってる人を見たら助けるのは当たり前です!」ときっぱり!
D君は少年時代から単身で米国留学し、長い間にはたくさんの困難にも遭遇してきて人の親切が身に染みてるのでした。

実はこの夜、夜行バスでDくんはウチの息子の友人たちとスキーに行く予定だったのに、急を要する仕事が入って間際になってからスキーをキャンセルしたのです。
だから彼はキャンセル料も負担しなくてはならないんです。
初めてのスキーではりきっていて、わざわざアメリカからスキーのヘルメットも取りよせたのでした。(アメリカではヘルメットかぶるのが義務になってる州もあるとか)

はたして米国人の彼女はD君へ連絡してきてくれるでしょうか?

一番かわいそうなのは、Dくんでした!