小宮山量平さん


先週日曜日朝NHKEテレをつけたら「こころの時代」のアンコール放送に小宮山量平さんがでていました。
小宮山さんのことはずっと気にしていた人物だったのです。
でも一度もお顔を拝見したこともなかったので、なんという偶然に巡りあったんでしょう!
以前長野の上田界隈を車で通ったとき、「小宮山」という名前を看板などで見かけては、小宮山さんはこのあたりにお住まいだったなーなどと思いを馳せていました。
小宮山さんはこの春95歳で亡くなったのですが、若い頃東京から故郷長野の上田に移り児童文学を扱う出版社「理論社」を創業しました。
無名の作家たちをたくさん世に輩出したのですがそのなかの一人が灰谷健次郎です。     

あるとき灰谷さんがTVで教え子の子どもたちの詩の話をしていたのにとても感銘し、それ以来灰谷さんの本を読むようになりました。
その後灰谷さんと親しい鹿島和夫さんとの出会いにつながっていき、鹿島さんの本もたくさん読むようになりました。
灰谷さん鹿島さんの本は理論社のものが多かったように覚えています。
本の裏表紙には理論社と小宮山さんの名前を見つけていました。

番組では小宮山さんの生い立ちを語っていましたが、上京して渋沢敬三の家で給仕をしてたとき、渋沢さんは(図書館のようにある本を)好きなだけ本を読んでいいよと言ってくれたそうです。

小宮山さんは子どもたちの詩に感銘を受け「子どもたちは先生だ」と思い続けていたのですが、灰谷さんもまた同じような考えだったことがわかり、二人には単に作家と編集者との関係以上のものが生まれていったようです。

この番組の背景にもなつかしい灰谷さん鹿島さんの本がたくさん映っていました。
私が関心を寄せていた人々の名や物事が次々とでてきて感慨深かったです。
理論社がなかったら鹿島さんとの出会いもなかったかもしれません。
灰谷さんのことでは、都内で偶然にも2度も目の前ですれちがったことがあったのですが、しばらく興奮さめやらずという心境でした。

間接的にですが、わたしも遠いところでつながっていたのでした。
この番組を見逃したらもう小宮山さんのことを知る機会は永遠になかったでしょう。

理論社の理念になった詩人ノバーリスの詩
<同胞よ 地は貧しい われらは豊かな種子を 蒔かなければならない>