丸谷才一

丸谷才一さんが亡くなったのですね。
丸谷さんのことは、遠い世界からずっと気にしながら生きてきました。

私が若いころ故郷の近くの診療所に勤務していたときに、地元の新聞で丸谷さんの芥川賞受賞の記念パーテイが鶴岡市で開催されたと報じていたのです。
地元からそんな人物が出たのかーと感激して職場の話題にしました。
同僚たちはみな無反応に見えたので、それっきり口にしなかったのです。
その数日後、一人の先輩看護婦さんが話しだしたのです。
「実家に帰って丸谷さんのこと話したら、両親はその記事を見て知ってたの。
母は若いころ鶴岡の丸谷医院で助産婦として勤務してたのだけど、その病院は丸谷才一さんの実家だったの。母たちは、いつも才ちゃん才ちゃんって呼んでたそうよ」
まー!ってみんなでそのおもしろいエピソードに感嘆したのでした。
あの先輩、、私が話題にしたときになにも感心なさそうだったのに、ちゃんと気にして聞いてたんだーっておもしろいなって思いました。
このことがなかったら、彼女は自分の母の若かりしころの話しを全然知らないで終わるところだったかもね。