リサイタル

  

善福寺公園のそばの小さなコンサートホールで、自閉症のピアニスト坂東翔一郎君のリサイタルがありました。
ピアノをはさんで座る小さな会場は満員でした。
かなり遠方から来たお客さんもいたようです。
ファンクラブもできているくらいですから、いかにたくさんの人に愛されてるかというのがよくわかります。
翔一郎くんの演奏でお父さんも「上を向いて歩こう」を歌われました。
そしてお父さんは、いつも励まされてるという詩を紹介されましたが、この詩を読むと涙で読めなくなるので友人に読んでもらいますと言って友人にバトンタッチされました。

「天国の特別な子ども」

会議が開かれました。
地球からはるか遠くで
“また次の赤ちゃん誕生の時間ですよ”
天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。
“この子は特別の赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。
この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。
もしかして 一人前になれないかもしれません。
だから この子は下界で会う人々に
とくに気をつけてもらわなければならないのです。
もしかして この子の思うことは
なかなか分かってもらえないかもしれません。
何をやっても うまくいかないかもしれません。
ですから私たちは この子がどこに生まれるか
注意深く選ばなければならないのです。
この子の生涯が しあわせなものとなるように
どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。
神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。
その二人は すぐには気がつかないかもしれません。
彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
けれども 天から授けられたこの子によって
ますます強い信仰を より豊かな愛をいだくようになることでしょう。
やがて二人は 自分たちに与えられた特別の
神の思し召しをさとるようになるでしょう。
神からおくられたこの子を育てることによって。
柔和でおだやかな二人の尊い授かりものこそ
天から授かった特別な子どもなのです”

Edna Massimilla
(大江祐子訳)


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