白洲正子展「神と仏、自然への祈り」

 
3月19日から5月初めまでの開催なので、いつでも行けるだろうとたかをくくっていたら、思いも寄らぬことばかり発生して、気がついたらあと残すところ3日というところまできてあわてて世田谷美術館へ駆けつけた次第です。
砧公園の中を会場に向かって歩いていたら、展覧会から帰る途中だという方が、「とても混んでいますよ。入場券買うのも待たなければならなかったわよ」
と親切にもおしえてくれたので急いで行ってみたらもうこの時間はだいぶ空いてきていた。だが会場内に入ってみたらけっこうな客だった。
住まいだった武相荘には2回ばかり伺ったが、武相荘では見られないものばかりだった。
今回の展示は「神と仏、自然への祈り」というタイトルで、正子が日本各地を訪ね歩いた寺社の名宝の展示で、神仏像や屏風、能面、那智の滝の映像、原稿などだった。
「手を合わせるというのは古今東西を通じて、神に祈るときのかたちである。手を合わせていると右の指先から左の指先へ血が通い、その逆にも行くようになって次第にバランスがとれて落ち着いてくる。それは気分だけのことだろうか、今もそういう風にしてこの原稿を書いた」
「神は天におわしますのではなく 山川草木の中に充満している...」

白洲正子がまだ存命のころ、新聞に載った正子のエッセイの中身にとてもひかれ、初めて白洲正子という名を覚え強烈な印象が残りました。
その後ずーっと正子に思いを寄せていたのですが、ある時、市の講座で正子の住まいだった武相荘を訪ねるバスの旅があったので参加しました。
隣席の70代くらいの男性に正子の話題をもちかけたら、なんとその男性の祖母が御殿場の正子の家で働いていたということを語ってくれたのです。びっくりしました!
その後、米国の学生のホームステイがあったとき、彼は日系人だったのですが、あとでわかったことは、正子と遠縁だということがわかったのです。
またあるときは、茂木健一郎の芸大の授業のなかで、ゲストで白洲次郎 正子のお孫さんの白洲信哉さんが青山二郎を語ってくれるという講義があり運良く参加できたのです。社会人はわずかの参加者でした。授業の後、上野公園で茂木さんが用意してくださったらしいビールとおつまみが学生と参加者たちに振舞われ、茂木さん白洲さん、TV局の方などみんなで立って雑談をするというユニークな場面にも立ち合わせていただき、白洲さんに一言ご挨拶することができました。
何かに熱中していると、それに関するご縁が次々とでてくるんだなーと実感している次第です。