文化摩擦?

朝食に卵料理とバナナを出しておいたら、Tちゃんは「卵とバナナは絶対に一緒に食べてはいけません!」もし一緒に食べたら中毒が起きて腹痛がおきますというようなことをとても厳しい口調で言うのです。びっくり!
バナナと卵の組み合わせが悪いのを彼女は小さいころから母にいつも厳しく教えられていたので絶対食べてはいけないと思い込んでいるようです。実際、母の友人は腹痛を起こしたことがあるとか。
他にもお酒とカニなど、いろいろ食べてはいけない組み合わせの食品があるそうです。

我が家にはいままでいろいろな国の方たちがホームステイに来ていて、バナナと卵はみな日常的に食していて誰からもこういうことを聞いたことがありません。

私たちはいままでずーっとそういう食べ方をしてても異常がないから大丈夫なのよってTちゃんに話したのですが、絶対ダメって言って聞かないのです。

どういう根拠があって彼女の親はそういうことを言うのかなって不思議に思いました。
彼女の真剣な顔を見て私も思い出しました。
昔、私が小さいころ故郷には富山の薬屋さんがきて食品の食べ合わせの悪いものを書いた表のようなものをもってきてたのを。

でもだんだんそれらを忘れてしまったし、日本社会のなかでそういう話題を聞いたことがありません。
ネットで検索してもわかりません。
卵はいろいろな料理に使うので困りました。
ある日、Tちゃんが帰宅したとき、大好きなバナナジュースを作ってあげたらとても喜んで、今は卵料理を食べないから大丈夫だねって、一気に飲み干しました。
そこへ、私が卵を使ったケーキを作っていたら、びっくりして「ケーキを食べたいけど、バナナを食べたからそのケーキは食べられなくなりました」って残念そうにしてます。
私が大丈夫だよっていっても頑として拒否します。
私たちのことも絶対ダメダメって止めてしまいます。
本当に弱ってしまいました!

その後検診を受けるために近くのクリニックに連れて行きました。
女医さんや看護士さんたちは、中国からの留学生を珍しがって、彼女と会話を楽しんでくれました。そこへ私が、卵とバナナの話をしたら、女医さんは、「えー どうして食べちゃいけないの」って不思議がり、看護士さんは、お酒とカニなんて一番おいしい組み合わせじゃないの?ってまたまた理解できないっていう顔です。医学的には問題ないようです。
クリニックでこういう反応されてもTちゃんは
やはり私たちの生活習慣を認めてくれません。

その後、文化祭の招待があったので彼女の通う学校に行きました。
この学校は海外在住経験の多い生徒と教師のいる学校だということです。
Tちゃんのクラスのイベントを見に行ったら、クラスメートの女生徒と話すことができました。彼女は父の仕事で上海に6年住んでたそうですが、卵とバナナの話は聞いたことがないそうです。
中国全土に知れ渡ってる話ではないとわかりました。

今朝は近くのファミレスで朝食をとることになり家族ででかけました。
そこでメニュー表を見てたTちゃんは、卵料理とバナナのセットメニューを見つけて、「やっぱり日本ではこんなふうに一緒に食べてるのですねー」って半信半疑ながらもやっと認めざるを得なくなったようです。一件落着!

彼女は帰国したらお母さんにこの話をすると思いますが、さてお母さんはなんていうんでしょうか?


食事のたびにTちゃんに果物をすすめていたら、「日本では果物は高いので、日本人は月に1回しか食べない」って聞いてきたのに、どうしてこの家ではいつも果物を勧めるのかって不思議そうに聞かれて返答に困りました。
日本人は果物を月に1回しか食べないなんて、誰から聞いたのでしょうか?
もしかしたら東京に住んでいた中国人留学生がスーパーで高い果物を見て、月に1回ぐらいしか買わない生活して帰国して伝わったのかもしれませんね。
大手のスーパーの果物は品質もよく形もきれいに揃ったものなので確かに高いなって思いますが、私はいきつけの八百屋さんや安いスーパーで仕入れするのでそれほど困らないんですよね。

彼女は、我が家へ来る前に都内で2,3日研修を受けてきたのですが、そこで食事にだされたフルーツの残りも我が家へもってきたくらいなので、よっぽどフルーツが好きなのかなーと思ったのですが、我が家にきてからはたまにしか食べないのです。

私の勝手な思い込みでした。
互いによく話しあってみないとわからないことっていっぱいありますね。
こういうことから誤解が生じてくるのですねー。