ロバートキャンベルさん

十文字学園大でロバートキャンベルさんの講演「はじまりは坂の途中でー日本文学逍遥のすすめー」がありました。

キャンベルさんはハーバードで学び現在は東大教授ですが、この春までEテレで「Jブンガク」を担当していたり、民放にも多数出演されていてTVではよくお見かけしてましたからとてもたのしみでした。


江戸時代から明治の日本文学を研究しておられるキャンベルさんが日本に興味をもったきっかけは、大学生のときに日本の美術や建築物等が載ってる本を見てとても関心をもったことからだそうです。
ビジュアルな世界から入ったのでした。

講演で語ったのは、、、、

日本の文学には紀行文が多いのが特徴だが、なぜ日本人は旅をしたか、、欧米の作家たちの書く紀行文と異なるのは、日本人の旅は単なる旅ではない、、、何かを学ぶためだったり、、仕事をするためだったり、、、

この春からテレビ朝日TOKIO散歩 わびさびナビ』で東京のあちこちを散歩しながら歴史などを語ってるそうですが、日本橋界隈の番組では、日本橋川の石垣には島津藩の家紋があるがなぜか、、、、、橋柱文字は、最後の将軍 徳川慶喜
の揮毫だが、なぜ敗北した将軍に揮毫を頼んだか、、、ということを番組では解説されたそうです。

花見といったら昔のセンスのいい人たちは、都会を離れて郊外に行ったそうで、玉川上水あたりが人気だったとか。
玉川上水の歴史から、なぜここに桜の木が植えてあるのか、、、桜には解毒作用があると信じられてた、、等なども語られました。

散歩をして一歩路地を入ってみると、思わぬ発見があったり、、、100年前、200年前の人々の息吹きが感じられ、どういうふうに変わったか、、何が残っていて、何が失われたか、、、がわかる。

とてもわかりやすくまたきれいな日本語で解説してくださったのです。
これからの散歩の楽しみ方の参考になりました。

途中、会場から携帯音が流れたら、すかさず「今『川の流れのように』が携帯から流れてきましたが、もう少し前の(日本橋川)川の話のときだったらよかったのにねー」(笑)なんてすぐに対応できるユーモアも。

その昔、日本に興味をもってたドイツ人のシーボルトはオランダ人になりすまして長崎入りして日本の事物をたくさん収集し、オランダへ発送したりしてたが、ついにはシーボルト事件まで起すことになった、、というエピソードも。

それにしても外国人のロバート先生から我が日本のことについておしえてもらうとは、、、

会場のみなさんはキャンベル先生のとてもきれいな日本語、日本についての深い洞察力には舌を巻き、きっと日本再発見することができたと思います。