料理の鉄人の中村孝明さん

昨年、書家の武田双雲さんの講演に行ったことで、東武練馬の大東文化大学のホールでの今年も講演会の招待状をいただいた。
今年は料理の鉄人で有名だった中村孝明さん。
私はこの番組を見たことがないので中村さんのこと、全然知らなかったのだったが普段はこういう分野の方の話を聞く機会がないので、たのしみに参加した。
http://www.koumei-nakamura.net/profile/index.html
中村さんは中学生のとき、父親が蒸発してしまったことで生活が苦しくなり、母親が出稼ぎにいき、中村さんは親戚の家に預けられたそうだ。
八百屋でアルバイトしながら学校に行き、生活は乱れたまま、高校を中退し、料理人になる。


いろいろな人との縁で次々と職場を変わり、変わるたびに地位は上がっていくが、板前さんたちから反感をかい、どんどん辞めていかれることも経験した。そこでコミュニケーションのとり方を勉強し
信頼関係を築くことも学んでいった。
料理用語がわからず、「ケツを振れ!」と注意されたので、尻を振りながら一升瓶の調味料をいれてたら、そこで怒鳴られた話などとてもユーモアがあってたのしかった。

シンガポールのホテルのコック長に抜擢されて移り住んだが、ことばはわからず苦労したようだ。
あるとき、エレベーターのなかでいきなり、シンガポール人に殴られたので、怒ったのだが、よく
聞いてみると戦争で祖父が日本兵に虐待されて恨みをもっていることがわかったそうだ。
その後も足を踏まれたりなんども同じような目にあった。
そのことをきっかけに、シンガポール在住の日本人調理師さんたちと会を作り、運動会を催して料理を提供したり、孤児院に料理を届けたり、冠婚葬祭にも必ず出席したりして、シンガポール人から信頼を得るようになり、シンガポールに貢献したということで政府から永住権を無料で贈られるまでになった。一般に永住権を取得するには2000万位だとか。
利尻昆布とカツオでつくった一番だしをもってきてくださり、会場の全員に試飲させていただいた。
講演会で一流シュエフの味を体験できたことにとても感動した。味はなにもつけてないというのに、とってもいい味がでていた!!
刺身の盛り合わせのコツも実演してくださった。 


終了後サテイのなかの和食の店「四六時中」でサケとホタテのおひつご飯を注文。