村上和雄先生

先日、茨城を旅したとき最後につくばにも行ったのですが、夜になってしまったので景色がなにも見えなかったので、
そのうち明るい時間帯に街を訪れてみようかなーって漠然と思っていました。
そして最近、しばらくぶりにろいろな方たちのブログを訪れてみたら、遺伝子の研究で世界的にも第一人者の筑波大学名誉教授の村上和雄先生のドキュメンタリー映画「SWITCH」http://www.sunmark.co.jp/switch/bookwork/index.htmlの話題があちこちに載っています。
気になってこの映画について検索してみたら、筑波大学でこの映画の上映会と村上先生の講演会があるとの情報がでてきました。
事前の申し込みもいらず直接会場に行くだけでいいとのこと。
それもたった千円という料金です。映画代にもならないくらいです。
まさに千載一遇のチャンスです。
半信半疑で当日を待ちました。その当日が今日です。
なんの予定もなかったので、行くことにしました。
この1か月くらいの間に何度も偶然に村上先生のお話を聞きました。お寺で聞いたお坊さんの講演のなかで村上先生のお話があったり、そしてまた知人がNHKラジオの深夜便の雑誌に村上先生が載ってるのよと見せてくれたこともありました。
次々と私の目の前に村上先生の話題が登場してくるのが不思議なくらいでした。
こんなに出会いがあるんだからこれも何かのご縁だと思って、思い切ってつくばに行ってみようと思ったのです。突然降ってわいたようにつくばに行く日がやってきたのです!

早朝から緊張しながらつくばエキスプレスに乗ってつくばにやってきました。

駅前は夏祭りでたくさんのお店がでています。
少し駅前をぶらぶらしてからバスで筑波大学に向かいました。
バスがキャンパスに入ったのにどこまでいってもキャンパスが続いています。とても広大です。
米国の大学をいくつか訪れたことがあり、さすがアメリカの大学は広いなーって感動して日本にはこんな広いところはないよねーって話していたのですが、ここ筑波はアメリカの大学みたいです!
大学巡回パトロールカーが止まっていました。
到着してきょろきょろしてたら守衛さんが声をかけて尋ねるので、講演会の話をしたら、そういう会は聞いていませんとか、なんという教授ですかとか、いろいろ質問してきて変な顔しながらどこかに電話して問い合わせています。
あの情報はもしかしたら見間違いか、それとも昨年の情報だったのかとか、だんだん不安になってきました。
電話をきった守衛さんも不思議そうな顔しながらも、もしかしたらあそこかも知れないから行ってみてくださいとのこと。
歩いてる学生さんたちに聞きながらやっとのことで、たどり着きました。
やっぱりあったんだ!とほっと胸をなでおろしました。
 
私は、村上先生の本は1冊も読んでいません。
でもいろいろな方の本にはよく登場してきてるのでおおまかな知識はありました。

会場は国際会議室なのですが、とても豪華なイスです。
今まで大学でたくさんの講座や講演を聞いてきましたがこんなデラックスな部屋は初めてです。
上映会のあと村上先生の講演、質疑応答があり休憩時間に先生がみなさんに気さくに話しかけています。
私の目の前にも立たれたので、びっくりしたのですが、こんなすばらしいチャンスを逃してはならないと思い
思い切って私から話を切り出しました。「『地球交響曲』の映画で国技館ダライラマと科学者の対話があり小柴先生と村上先生のお話を聞きました。村上先生を初めてそのとき知りました。先生のおことばにとても感銘を受けてそれ以来ずーっとお慕いしておりました」というようなことを申しあげました。
先生は終始笑顔で丁寧に耳を傾けてくださったのです。
地球交響曲」の映画で村上先生と出会ってからながーい年月思い続けていたのです。
偉大な科学者である先生のような方の講演会など、私には一生無縁だろうと思っていたので、講演会のみならず言葉を交わすことができたとは信じられませんでした。
昔、将棋のプロにサインをいただいたとき、「願えば夢は叶うもの」と書いていただいたことばが突如浮かんできました。

映画には、いままで読んできた本の著者の養護学校の教師のかっこさんや、私も観た「1/4の奇跡」の映画監督の主婦のフーちゃんなどが登場していました。
質疑応答では、福島の医師やスタンフォード大学で学んできた方などが質問しましたが、北海道などかなり遠方から参加した方たちがけっこういるようでした。

先生のお話はとてもユーモラスでバラエティーに跳んでいました。
科学の研究を世界の平和、人々の幸福に役立てたいと切望されているのが感じられました。
我が家と親しく付き合いのある外国人研究者から、以前私はまるで個人授業を受けるみたいに
いろいろな話を聞かせてもらいました。
彼も世界の科学者たちのなかで研究したり、国際会議ではノーベル賞受賞者たちとも対話してる方だったので
世界の科学者たちのことをいろいろ話してくれました。
「世界の一流の科学者ほど神や宗教を信じてるんですよ。でも私は一流じゃないので神のことはわかりません(笑)」と話してくれたときは、科学と神や宗教は相反するものだと思っていた私は衝撃的でした。
でも今日の村上先生のお話もほとんど彼の話と同じだったので、やっと今になって彼のことばが信じられるようになりました(笑)。
今日いただいた小冊子は、村上先生が「京都フォーラム」で講演されたお話でした。
アメリカの大統領、日本の首相、ビルゲイツダライラマなどのおもしろいエピソードが載っていたかとおもえば、吉本興業のお笑いタレントと遺伝子の研究まで幅広く多彩な中身です。
糖尿病の患者さんたちに大学教授の講義と吉本のタレントさんの話を聞かせて実験したのです。
聞く前と聞いてからの血糖値を量ったらお笑いタレントの話を聞いたあとは血糖値がとても下がったのです。
糖尿病の専門医たちは、一笑に付したそうですが、このお笑いの結果がアメリカの糖尿病の学会誌に載ったのでアメリカのマスコミが世界に報道してくれたそうです。

先生は「こころと遺伝子」の研究会を主催されてるそうですが、今後は、親しくしていらした 河合隼雄先生やダライラマも関心をお持ちだった「科学と魂」「科学と宗教」などの分野を研究していきたいと述べられました。