新蕎麦

夕食の支度をしていたら、シルバー人材センターの大工さんが、秩父の「新そば粉」をもってきてくれました。
早朝から秩父に行って蕎麦粉を仕入れてきたそうです。
岩手出身のおじさんは、子ども時代は近くの畑でとれた蕎麦が食卓にのぼることが多かったので、蕎麦がなつかしく、時々秩父にいって、蕎麦粉を仕入れてるのだそうです。そして、美味しい水をポリタンクにたっぷり汲み、温泉につかり一日たっぷり愉しんでくるのがたのしみだとのこと、とても充実したときを過ごしてるようです。
今夜は帰宅してから、早速「蕎麦掻き」を作って食べてきたんだよと、美味しいつくり方まで手振り身振りで伝授してくれました。
我が家でちょっとの修理をお願いしたとき、茶のみ話で、娘が蕎麦の会に入ってるという話をしたら、まるで同じ趣味仲間だと言わんばかりに喜んでくれたのです。

玄関先に顔を出した娘に、まるで孫にでも接するように相好を崩しながら、「これで美味しい蕎麦を作ってあげるんだよ」って話しかけていました。
娘は意外なことが目の前に起こり少々びびったようでした。
蕎麦の会に入ってまもないころ、帰宅した娘が大きな荷物をまるで担ぐようにしてもってきたので、何を一体買ってきたのかと思ったら、蕎麦打ち道具一式を先輩のおじさま方からいただいてきたとのこと。
1㍍四方もありそうな蕎麦打ち台や麺棒や、大きな包丁などまるでプロ並の立派な道具たちです。なんと親切なおじ様たちでしょう!って家族で感動したのですが、でもほとんど休日は家にいない娘が一体いつこれを使うんだろうって、ちらっと頭に不安がよぎりました。せっかくのご好意を無にしちゃいけないんじゃないかって。
予想通り大事にしまったままいつしか時が過ぎていきました。

きょうは思い出して奥にしまってあった包丁を取り出してみました。
この包丁の出番は今後あるんでしょうか?

今朝朝刊を開いたら「銀座の交詢ビルが火事」という記事をみつけてびっくり!娘の職場だ!ってあわててから、気がついてみたら、娘の会社は、先週ちょうどこのビルから移転したばかりだったんだと気がついてようやく安堵しました。交詢ビルは、福沢諭吉の思想のもとにつくられたものだそうで、由来を知ってからはおもしろがって会う人ごとにこのエピソードを語ってきた私としては、このビルのニュースはひとごとではなくなりました。http://www.kojunsha.or.jp/index.htm