旅 2日め


朝早くから祇園界隈を散歩してみたら、路地の向こうから舞妓さんのような女性が歩いてきます。ラッキーです!この雰囲気、めったに見られない風情のある風景です。
とても美しい髪形ですねーとお話を聞いたら、この髪型は1週間崩さないように箱枕で寝るのだそうです。
何かで読んだことがあるような気がしますが、それは昔の話だと思っていました。美と伝統を維持するために、いまだに厳しく守られてるんですねー。


2日めの今日は地下鉄で今出川駅に降り京都御所に来ました。

地元の方から、御所に行くならぜひ九条家の庭園を見てきなさいねと教えてもらったのですが、広大な御所の庭園のうえに砂利道なので、探してたどり着くのが大変です。やっと見つけました。奥まったところにひっそりと品のあるお庭があります。
九条家の邸宅跡となっています。厳島神社まで祀られています。
夫の親しい友人のお穣さんがこの九条家の方に嫁いだというのを聞いていたので夫にいいお土産話ができました。
学習院跡となっています。
広大な敷地のなかを延々と歩いていたら標識がいろいろ建ってるので歴史的なことがわかります。
道を渡ったところに同志社大学があります。

キャンパスを歩かせてもらい、学食に寄ってきました。
守衛室で創始者新島穣の住居跡を教えてもらったら、最初に来た道のすぐそばだったのです。やはり地元の方からのお勧めの場所だったのです。
再来年NHKの大河ドラマに決まったのが新島穣の夫人のお話なので、きっとこれからたくさんの方が訪れると思いますよとのこと。また広い御所に沿った外の道を延々と歩くことになりました。
途中で紫式部邸宅跡に出会いました。地道に歩くことでこういういう思いがけないことにも出会います。

やっと新島邸に着きました。

観光パンフレットに載ってた店に行ってみようと、予定外の金閣寺に向かうことにしました。



このあと奈良に向かい夜行バスで帰る予定でいたのが、大変な事態に、、、

高速バス乗り場で待っていたら、バスは目の前を通りすぎて行ってしまったのです!!
運悪く携帯電話の充電がきれてしまったので、バス会社からの連絡も入らず、こちらから連絡もできず、、、、、やっと公衆電話から問い合わせして事情がわかりました。

高速バスの乗り場がいくつかあったのです。
会社が違うと発着場所がちがうのでした。
もう私の乗るバスは遠くまで行ってしまったのです。
どうすることもできません。パニックになってしまいました。
深夜だというのに、どこで待ってたらいいんだろう、、。駅まえのベンチで朝まで待つしかないか、、、と頭のなかは混乱しています。
ちょうどそのとき通りがかりの主婦で信用できそうな方がいたので、わらにもすがる思いで事情を話しました。帰宅の遅い娘さんを駅まで息子さんの運転で迎えにきてた一家でした。家族でいろいろ相談して、近くのカラオケルームで朝まで待つようにとに連れていってくれたのです。
息子さんが割引きチケットを渡してくれたり、ネットで登録するともっと安くなりますよとか、いろいろと親身になって教えてくれたり我がことのように心配してくれたりして別れていったのです。
地獄で仏でした!
いっきに幸せな気分になってきました!
カラオケルームの若い店長さんにも事情を話したら、とても親切にサービスしてくれました。
とりあえず個室に入り、コンセントがあるので携帯の充電ができることをおしえてもらいました。
朝一番で新幹線で帰ろうと思って繋がったばかりの電話で自宅に電話したら、息子がいろいろ提案して時刻表を調べて送ってくれることになりました。
まだ一枚残ってる最後の18切符を使って乗り継ぎしながら東京まで帰ることを
提案してきたので、思い切ってその道を選択しました。
にぎやかなカラオケを聞きながらなかなか寝れなかったけど少し仮眠して始発を待ちました。9回くらい乗り継ぎしてやっと午後3時半ころ東京駅に到着しました。
やったー!という気持ちとスゴーイ冒険をしてきたという充実感いっぱいの旅でした。
行きは夜行だったので東海道線の景色は見れなかったので、帰りは昼の景色を充分見ることができました。
乗り継ぎはあまり待たずに接続列車があるので、心配はいらなかったのですが、2分間しかない乗り継ぎもあったので緊張しました。
15分間の待ち時間にホームの立ち食いそばで時計を気にしながらの昼食でした。
とんでもない大失敗のお陰で他人の人情に触れて感動したり、行き先々で地元の方々と会話を交わしそれぞれのお気に入りの観光地を教えてもらったりと感謝感激の旅でした。
自転車やバッグパッカーで日本一周や世界一周してる若者たちの旅話もよく聞くのですが、彼らも豪華な旅では得られないことが体験できるのでやめられないんですよとのことだったのです。やっとその意味がわかりました。
ハプニングが起こるのは、人生といっしょ。
災難をどう乗り越えるか、、極限状態になったとき、窮地に陥ったとき、どういう行動をとり、どういう思考にたどり着くか、、、こういうことをたくさん経験することで人生の荒波を乗り越える術が身に着いていくのかもしれません。
失敗もあとでいい思い出話にもなります。
これが旅の醍醐味だったのです。