和菓子職人が東南アジアへ


今年2月国際交流基金では、日本の和菓子を紹介するため、全国和菓子協会から選ばれた優秀な若手和菓子職人3人を東南アジア3カ国へ派遣し紹介イベントを開催したそうです。
昨夜はその3人による帰国報告会と実演がありました。

国は、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、フィリピン(マニラ)の3カ国3都市で。

3人の和菓子職人は、同じ製菓学校出身の老舗和菓子やさんの後継者さんたちでした。

現地では大型ショッピングモールなどの一角にコーナーを設けてレクチャーや実演、指導などを行ったそうですが、和菓子の繊細さ、美しさ、味にとても好評を得たそうです。

製菓学校で最初に習うのが「どら焼き」だそうです。
それぞれ3カ国で「どら焼き」について説明したら、かなりの人々がどら焼きを知っていたそうで、マレーシアではバナナのクリームの「どら焼き」が売ってたそうです。
どら焼きは知らなくても「ドラエモン」は有名だったそうですから、「ドラエモン」の果たしてる役割は相当なものだということがわかりました。     
それぞれの国でどら焼きの作り方を教えてきたそうです。

この会場でも実演してくれました。会場から募ったら外国人女性が参加しました。
これがどら焼きの皮です。

「最中の皮」を日本からもっていったら、かなりの数が割れてしまったので、半分の皮に餡を乗せて紹介したそうです。
卵は現地で調達したのですが、ねばりがなかったり、水分が少なかったりという違いもあったようです。

「らくがん」を作るときに使う木型。木型を作る職人さんがいなくなってきたので大事に使ってるそうです。

講演のことば、、、、
和洋菓子の違いは、
和菓子は、包み込むので「中味が見えない」
洋菓子は、「断面が見える」

職人は自分の手に合ったように道具を自作している。
表現の様式も伝統的な表現から新しい表現まで多種多様な表現方法がある。

現地のTV新聞でも紹介されたら、たくさんの反応があってどこで買えるのかなどと問い合わせがたくさんあったそうです。
イベント会場ではこの3人のイケメン職人さんたちにサインを求めたり、一緒に写真を撮りたがったりされ、かなり人気ものになってきたようです。

3人のご実家でつくられた高級和菓子が会場のみなさんに提供されました。
至福のひとときでした!!

日本人でもなかなかそばで見たり話を聞く機会がないのでとてもいい機会になりました。

いい和菓子作りのためには、芸術の勉強や茶道などの勉強も怠ることができないのだそうです。

いいことばを聞きました!
「『菓子は人なり』といわれ、その人の感性によっても違いができてくるし、人間が成長していくことによっても変わってくる。」

彼らの学んだ製菓学校には、台湾、韓国、フランスなどからも留学生がきてるそうですが、最近の傾向としては若い人たちには和菓子は人気がなくなってきてるそうです。

日本の伝統を守り日々努力している彼らの話を聞き、彼らを応援する気持ちになってきてこれからは和菓子屋さんに足を運ばなくちゃと思いながら帰路につきました。


■明神宜之(29歳)(広島県呉市
東京製菓学校和菓子科卒業。呉銘菓「蜜饅頭」で知られる「蜜屋本舗」勤務。日本菓子協会東和会最優秀技術会長賞(年間グランプリ)。全国和菓子協会認定「優秀和菓子職」 
■吉橋慶祐(29歳)(石川県金沢市
東京製菓学校和菓子科卒業。日本三大菓子処の1つ金沢を代表する和菓子店「吉はし菓子所」勤務
■小泉直哉(29歳)(栃木県足利市
東京製菓学校和菓子科卒業。歴史の街・足利の創業百余年の老舗和菓子店「香雲堂本店」勤務