裸のつきあい

この寒空のなかニューヨークの地下鉄にズボンをはかずに乗ろうという企画があり男女を問わず大勢の人々が参加したというニュースが紹介されていました。男性も女性もズボンやスカートをはかず下着一枚で電車に乗っています。
参加した女性にインタビューしたら「脱いだらみんなと一つになれた気がしたわ」とのこと。
このニュースを見てアメリカの学生から似たような話を聞いたことがあるのを思い出しました。
先日、いまはニューヨークにいるその青年と電話で話してたら、「こっちは雪が多くいつもの倍もかかって通勤してるよ」とのこと。彼にこの地下鉄の下着イベント!の件を話したら、思い出したようにそのときの様子を話してくれました。
ちょうど彼はその日何も知らずにその電車に乗り合わせてギョッ!としたそうです。普通の格好をしている彼はなんとも居心地悪い思いをしたとか、、、
私が「あなたの大学でも裸のマラソンやってたよね。」と昔彼から聞いた話をしたら、彼は笑いながら「アメリカにははこういう変わったことの好きな人たちがいるんですよ!」

彼が我が家にホームステイにきたとき大学の珍妙なイベントの写真をもってきて見せてくれたのです。
それには数人の人が写っています。なにも身にまとわない裸体にシェービングクリームがたっぷりと塗られています。
彼の大学では、自由参加で毎月一回夕暮れになってからキャンパス内をマラソンする行事が長年続いており、男女を問わず学生も教授も職員も参加してるのだそうです。
そのときの格好が裸体なんです!恥ずかしい部分にはシェービングクリームを塗っています。
写真を見たら、みな楽しそうな顔です。
彼も一度だけ参加したそうです。
なぜこんなことをするのかと問うたら彼は「なんの目的でこの行事があるのかわからないけど、自分も体験して感じたことは自分に自信がついたことです」とのこと。

日本でも「裸のつきあい」ということばがあるように、裸の効能は、裸になったらみな同じ、隠してるものはなにもない、素のままの自分をさらけ出すことで自分に自信ができたり仲間との絆が深まるということもあります。
とくにアメリカでは衣服の下に銃を隠しもってることもあれば、日本の比ではない生活レベルの差、宗教や民族の違いも多種多様です。
このような社会で普段からストレスを抱えて暮らしている人々にとって、たまには着ているものをみな脱ぎ捨ててみんなで思いっきりはめをはずして気持ちをリフレッシュさせよう!という気持ちになるのかもしれません。
裸のマラソンの写真を見せられた当時は、理解不可能なことだったけど、あれから何年もたって月日を重ねいろいろなことを経験してくると、その気持ちもわからないではないなーと思えるようになってきました。